秘密のメガネ君。

☆☆ 6 ☆☆

   

藤木とこんな関係になったっていうの、未だに信じられなかった。
ヤツの前で胸を露にしている今、この瞬間でも。

「うっ……、あっ…」

ヤツはさっきからおっぱいを猛烈に揉んでいる。
飽きないのかな、って思うぐらいの時間が経ってた。
「うん……うっ……」
チラリと目をやると、私の右の胸はしっかりと藤木の口に食べられていた。
左側の胸は、触られすぎて何だかいつもより柔らかくなってきたような気がする。
「はぁっ……うんっ」

何だかすごく感じてきてる。
アイツの舌先が乳首の先っちょに触るたびに、チリチリと痒いみたいな感覚が走る。
私はそのたびに首筋がブルっと震えて、体の奥がギュンとしてしまう。
(ああ、これって……何…?)
おっぱいだけなのに、もうヤバイ感じだった。
「ああ……ねえ、……もう……」
未知の感覚に戸惑う気持ちと、放置状態の下半身のもどかしさで、私は思わず言ってしまった。
「………?」
「…わ、わかんないの?」
「……あっ……、は、はい…」
藤木は少し体を起こすと、下の方へずり下がっていった。
(何だか私が命令してるみたいで、恥ずかしいじゃんよ……)

「やんっ…」

藤木にショーツを取られた時、自分でもびっくりするぐらい既に濡れちゃってた。
そりゃあ、こんなに長い時間胸を触られてたら、そうなっちゃうよ。
「美由、さん……」
いきなり顔を上げた藤木とまともに目が合う。
「………」
ヤツの視線にその濡れっぷりを指摘されているような気がして、私はものすごく恥ずかしくなってくる。
(こんな時に、なんでメガネしてるわけ…?)
そう思ったのも束の間、すぐに電気ショックのような快感が体に走る。

「うあああああんっ……!」

藤木の唇が私のそこに触れたとき、私は思いがけずエロくデカイ声を上げてしまった。
こんなにも、この場所に刺激を求めていたのか。

(ヤダ……、ヤバイ……気持ちいい……)

「うあ…っ」
ちょっと舐められただけで、体がビクンと震えた。
藤木はまるでそこを食べるように、唇と舌で執拗に愛撫してくる。
「あっ、…あっ……、うあっ…」
(ヤバイ……すごい感じちゃう……)
時間をかけてされると、こんなにも体って変化してしまう事を私は初めて知る。
藤木は経験が全然ないはずなのに、その丁寧な愛撫で私の体はどんどん感じてしまう。
(どうしよう……こんなの初めて…)
「あっ…あ、……あっ……」
(気持ちいいっ……ああん…)
たまらなくて、私は思わず藤木に言った。

「ね……、指も入れてみて…」

藤木は唇を離すと、慎重に指をそこへ近づけてくる。
「んん……」
その場所を探すように辺りを探ると、つるんと吸い込まれるように彼の指が自然に私へ入ってきた。
「はああ……」

(ここもすごく感じちゃう……)

指を入れられただけで動かしていないのに、まるでその部分が溶けそうになる。
「あああんっ!あんっ!」
唐突に藤木の唇が私のその場所に戻った。
クリまで舌でいじられて、私の快感が一気に高まってしまう。
(ヤバイ、ヤバイ……マジでダメだって!)
抵抗しようとしても腕が動かなかった。
藤木はジュルジュルと音を立てながら、私のそこを舐めまくってる。
指が入っている方も何かされていて、私はもう何がなんだか分からなかった。
「あ、あ…あ、…あっ…」
彼の口が触れているその場所に向かって、心臓から血液が一気に巡っていくような気がした。
何かが剥かれていく。
痺れにも似た感覚が、首から足の先まで抜けていく。
(ダメ……!イク…………!)

腰を自然に浮かせていた。
ガクガクと体が震えるのを抑えられなかった。

私は藤木の前で、恥ずかしいぐらい感じて…イってしまった。


「美由さん……大丈夫…?」
藤木の顔が近付いてくる。
メガネをかけたまま、いつもと変わらない丁寧な口調だった。
「…………ん」
私は体中がまだジンジンした状態で、何とか頷くのが精一杯だった。
「し……、しても…大丈夫ですか?」
(また敬語……?)
突っ込みたいところだったけれど、全然そんな余裕がなかった。
私はゆっくりと頷いた。

「はあ…はあ…はあ…」

何とか息を整える。
先日、藤木と初めてした時は、行為自体はあっという間に終わってしまってよく分からなかった。
「…………」
準備を終えた彼が、私のそこへ自分のモノを当てた。
「あん……」
この前は入れる場所を探すのにも手間取ったのに、今日は私がヌルヌルだったからすぐに先っぽが入ってくる。

「い、……入れますよ…」

「あっ……、ああっ!!」

(こんなに大きかったっけ…???)
明らかに今日の自分の体の状態は、この前と違ってた。
体中に残っている今達した余韻が復活し、藤木のモノに向かって大きさを増して快感を求め集まっていく。

(ヤダっ……中が、すごい気持ちいいっ…!)

そんなに経験がある方じゃなかったけれど、今、今までで一番感じていた。
「ああっ……、光成っ……」
私は藤木に手を伸ばした。
藤木も私を抱きしめてくれる。

「大好きです……美由さん……、好き…大好きだっ……」
「光成っ……」

何だかすごく愛されてる気がして、急に切なくなってくる。
その感情が、体の奥を余計に刺激してしまう。
気持ちが震えるのと同時に、自分の中がギュっと締まるのが分かった。
(ああん、気持ちいいっ……)

「美由さんっ………」

イキそうかも、と思った時、光成の動きが私の奥で止まった。



「はあ、はあ…はあ、はあ……」

お互いに息が上がっていた。
色々な後始末を終えて隣に戻る頃には、藤木はもうかなり落ち着きを取り戻していた。
「………美由さん…」
藤木は私のすぐ横で仰向けになり、目を閉じた。
「うん…?」
私の方は昇華しきれていない快感がくすぶっていて、焦れるようなもどかしい感じだった。
それでも体がだいぶ疲れているせいで、だんだんとその感覚も収まりつつある。
「……美由さん、………すごい」
「えっ…」
(そんなに乱れちゃってた……?)
藤木の言葉の本意はよくわからなかったけれど、とにかく恥ずかしかった。

「み、…光成だって」

そう言って彼の方を向いたら、藤木は既に軽く寝息を立てていた。
(なーんだ、寝ちゃったか…)
体は裸のくせに、メガネだけはしっかりとしたままだった。
前の時、どうして外さないのか聞いたら、『よく見たいから』って言ってたけど…。
(寝てる時は、外したほうがいいよね)
私は両手を伸ばすと、そっと藤木からメガネを抜いた。
通った鼻筋に、整った眉毛。それに閉じた目の睫毛がすごく長い。

(ああ、やっぱり………か、カッコいい…)

それも、絶対、アイドル系だった。
メガネをしていない目元も良かったけれど、私が特に好きなのは藤木の口だ。
ちょっと横に大きくて、下唇が分厚い。
(こ、この口で……)
さっき乳房やあそこをさんざん舐められていたのかと思うと、またジュンとしてきた。
「ああ……もう……」
認めるのはイヤだったけれど、私は藤木と一緒にいると欲情してしまうのだ。
そしてこの、大好きな唇で色々されると…。
(あんなに感じちゃうんだ……)
何だか自分が急にものすごくエロくなった気がして、勝手に恥ずかしくなって私は藤木にくっついて目を閉じた。


「美由、美由…」

「ううん…」
目を開けると、藤木の顔がすぐ目の前にあった。
「ああ、…私も寝ちゃったんだ……」
「寝顔、……バッチリ見た」
「えっ…」
いつもの藤木っぽくない口調に、私は驚いて改めて彼を見た。
メガネをかけていないとこんな表情になるのか、普段よりも眉をしかめた感じでじっとこっちを凝視している感じだった。
それでも口元は笑っている。
「可愛い……美由……」
呼び捨てにするのにあんなに抵抗があったはずの彼が、『美由』と言っている。
「んっ…」
キスされた。
それもいきなり濃厚に。
藤木は私の髪を強く撫でてくる。
漠然と、私は彼に違和感を感じた。

藤木の手が、私の体を撫で降りてくる。
一瞬乳房を触って、すぐにもっと下の方へと滑っていく。
(あ……)
キスされたままだったから、声は出せなかった。
閉じていた足を少し割って、藤木の指が私の亀裂に触れた。
(やん……ヤダ…)
「ここ、すごい濡れてる」
藤木の指が私の襞の間をヌルヌルと滑り始めた。
自分でも、もう彼の指を濡らしてしまっているのが分かる。
それに、……藤木らしくない台詞にドキドキしてきた。
「美由……」
耳元で囁かれて、私はゾクっとした。
こんなに色っぽい声を出す男だったっけ?
「あんっ………光成?」
私はそっと目を開けて彼を見た。
藤木も私を見ていて、私と目が合うとニヤっと笑う。
その目がすごくエロくって、おまけにカッコ良くって、私のドキドキは更に加速してしまう。
「あっ……」
抱きとめられ、体をくるっと回転させられた。
私は藤木の上に体を重ね、乗っかる格好になる。

「入れてみ」

「………えっ?」
人というのは、相手が取る態度を無意識に予測して、頭の中で行動に納得していくものなんだと思った。
私は藤木の思いがけないその一言にまず耳を疑い、すぐには理解できなかった。
「美由が、自分で入れてみてよ」
「………えっと…、え、と…」
何だかがっつくみたいで、行動に移せない。
私の下にいる彼は、藤木なんだけど普段の藤木じゃなかった。
「わかんないの?……お前のに、オレのを…」
その言葉に顔がカーっと熱くなってしまう。
「や、……わ、分かったから……も…」

私は意を決して体を起こし、足を開いて彼にまたがる。
手を伸ばし、そっと藤木のモノに触った。
(やあん……)
そろそろと腰を落とし、彼のモノを自分の中心へとゆっくり刺していく。
「ん、あっ…」
自分のペースで入れていくと、彼の大きさを実感した。
「うんっ…」
声が出てしまう。
藤木はそんな私を、下からじっと見ていた。
(そんな目で見ないで……)
目が悪いせいか、彼は目を凝らすようにじっくりと私を見ている。
(ヤバイ、恥ずかしいよ……)
完全に肌が触れると、私の中は彼のモノで一杯になった。

「美由、動いて」

「あ……あん……」
何だか逆らえなくて、私は素直に動き始めた。
(ヤダ……マジ気持ちいいかも…)
「うっ、……うぅんっ……、んぅっ…」
動きながら、私は彼に手を伸ばした。
すぐに藤木は私の両手を取って、指をからめてくれる。
(ああ、……ああ……)
藤木の上になって動くのは、すごく恥ずかしかった。
たぶん、本当に感じてしまっているせいだと思う。
こんな風にいやらしくなった自分を見せている事が、自らの羞恥心を余計に煽っていく。
「あ、…うあ……あぁんっ」
自分が上で動くと、彼のモノを擦っているのをリアルに感じた。
(ああん……ヤバイ…気持ちいいっ…)

「おいで……」

絡んだ腕を引っ張って、藤木が私を自分へと引き寄せる。
繋がったまま上半身が重なり合って、彼の顔へと近付く。
「んん………」
抱きしめられて、キス。
(ああ……)
いつの間にか、私は身も心も藤木へと溶けていた。
体の力が抜けて、藤木と重なる唇だけをただ何度も求めていた。
「美由の顔、見せて」
「えっ」
肩を少し離されて、私は藤木の顔をまともに見る感じになった。

「………あんっ!」

いきなり彼が下から突き上げてくる。
彼の手で、私は少し腰を持ち上げられて……、そして思い切り突かれていく。
「やん、うあんっ…、……あんっ、…はあんっ!」
「ちゃんと目を開けてオレを見ろよ」
「うぅっ……」
目を閉じたいのに、私はなんとか藤木を見た。
藤木はさっきよりもずっと強気な色っぽい表情で、私を見つめ返してくる。
(ヤダ…)
その顔を見たら、首からお腹の下の方へと、落ちるような快感が集まってしまう。
「うあ、…うんっ……ダメっ……、光成っ…」
藤木の動きは更に激しくなる。
さっきの行為からイキたくてたまらない私の体は、その動きを貪欲に受け止める。
私も、自分から腰を動かしていたかもしれない。

「すっごい可愛い……美由…」

その一言が引き金になり、私の感覚が一気に研ぎ澄まされてしまう。
(あああ……だめ、…もう、イっちゃう……)
自分のそこが、またグっと締まるのを感じた。
そして突き抜けるような衝撃が、背中へと抜けていく。
彼と繋がった部分から電流が走るように、私の体はビクビクと震えた。
「あああんっ……う、あぁぁぁんっ!」
私は夢中で藤木に抱きつきながら、達してしまった。

「はあ、……はあ…」

まだ肩で息をしている私の頭の側に、藤木は膝をついてくる。
「………」
彼の手がそっと私の頬に触れた。
目の前には、まだ激しく勃ったままの藤木のモノがあった。
(ああん……)
彼に促されるまま、私はそれを口に入れた。

「んぐっ……、んっ、……ん…」

彼のモノは私の味がした。
今まで自分にこれが入っていたのかと思うと、そしてこのせいでこんなにも感じてしまったのかと思うとイヤでも興奮してしまう。
藤木の、口の中にある感触。
肉の塊を頬張るその感じが、私を更に欲情させる。
フェラチオって、今まで全然好きじゃなかったけれど……何だか藤木のなら、いいと思った。
今日、彼が口で私を沢山愛撫してくれたように、私も彼に返したかった。

ついさっきまで私の中で暴れていたそれは、私の口の中でもすぐに高まったようだった。
「…………」
(ああっ……)
口の、奥に…たくさん熱いものが注がれた。

「ん、…ううっ…」
彼の大きなモノが、私の口から抜かれていく。
「ケホッ、…ケホッ…」
喉の奥に残る彼の感触に、私は思わずむせてしまう。
「大丈夫か……?」
「ケホ、ケホッ…」
咳き込みながら、私は頷いた。
「メガネ、どこ?」
「ケホッ…、そっち……テーブル、ティッシュの…」
ベッドの向こうの机を、私は指刺した。
藤木は立ち上がると、メガネをかけてティッシュを手に持ちすぐに返ってくる。

「大丈夫…?美由さん」

(えっ…)
藤木の気配が変わったから、私はハっと彼に向けて顔を上げた。
「ごめん……、美由さん見てたら……」
(美由『さん』?)
口調の戻った藤木は、みんなが知るいつもの彼だった。
「……イヤじゃなかった?」
藤木は弱々しい声で、恐る恐る私に問い掛けてくる。
「ううん……イヤじゃないよ、全然」
「…それなら……良かった……でも、ごめんね…」
普段の優しい藤木に戻って、私は少し安心した。
安心すると、どっと疲れが出てくる。

「あっ!もうこんな時間!!」
部屋の時計を見て、藤木が声を上げた。
「ご、ご、…ごめん!美由さん……。今日はどうしても行かなくちゃ…」
「塾、だっけ…?」
「ごめんね……ああ……間に合うかな…」
藤木は大慌てでパンツを履き、シャツのボタンを留めている。
(はや…)
Gパンをすごい早さで履き、ベルトをすると、クルっとこちらに振り向いた。
「ごめん、美由さん……ボクもう行かなくちゃ」

「……行っちゃうの?」

自分でも意外なほど、甘えた声が出た。
「………ご、…ごめん…」
藤木がこちらに歩み寄って来る。
切なさをこめた目で見上げていると、彼の唇が近づいてきた。
「んっ……」
やっぱり藤木の唇が好きだ。
それから、藤木のこともやっぱり好きになっちゃたんだなと思う。
「はあ……」
「ごめん、ホントにごめん……」
藤木は体を離して、本当に申し訳無さそうな顔をした。
「私、こんな格好なのに?」
ベッドに座った状態で胸まで上げていたタオルケットを、私は一気に落とした。
上半身が露になる。
自分でもよくやるなあと思いながら、藤木の反応に期待した。

「あああっ!……もう、美由さん……」

藤木はギュウッっと私を抱きしめた。
「ダメだよ……、行かないと…」
「行かないでよ、光成」
困らせたかったていうのもあるけれど、本心でもあった。
「あーーーー、……もう、連れて帰りたい……」
藤木はそうつぶやくと、また私を抱く腕に力を込めた。

(光成……)
なんだかマジでキュンとしてしまった。

彼はすぐに離れて、私の胸にタオルケットを戻した。
「ごめん!……ま、また帰ったら電話するから!……ああ、もう、ホントにごめんなさいぃっ!」
私に背を向けると、藤木は一気にドアまでダッシュした。
階段を下りる音がして、すぐに玄関が閉まる。
(あーあ、行っちゃった……)
裸のままで、ベッドに取り残されている私。
(やり逃げされた…?)
だけど去り際の彼の様子を思い出して笑えてくる。

「はあ………」

一人になり、ベッドに大の字になる。
さっきまでしていた行為の余韻が、体にも、部屋のあちこちにも残っていた。
(疲れた……)
だけど、すごい気持ちが良かった。
藤木は結構、猪突猛進なタイプだから、エッチに没頭させると意外にもハマるのかもしれない。
(あんなに、……上手いとは……)
また恥ずかしくなる。
メガネを外した時の、あの目つきを思い出してドキドキしてしまう。

(でもなんか、人格違ってたような気がするんだけど…)

快感に呑まれていたせいで記憶もとぎれとぎれだったけれど、確かに普段の彼とは違ってた。
(エッチの時に、人が変わるタイプ…?)
よく分からなかった。
色々考えていたら、また藤木の唇を思い出してちょっと興奮してきた。

 

ラブで抱きしめよう
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