夢色

10 愛されるって

   
キスされる。
久しぶりのこの感触。
先生が、好き。


「んんっ…」
軽く唇に触れて、時々舌が絡む。
あたしはそれだけでフラフラしてきて、立っているのがやっとだった。
田崎はあたしから体を離して、ベットに座る。
あたしが一歩踏み出そうとすると、彼が言った。

「梶野は、そこにいて」
「…?」
あたしはとりあえず立ち止まる。
いつもは少し明かりを落としてするのに、今日はまだ明るいままだ。
ホテルの照明は暖色系で、柔らかい。
先生と来る場所は、いつも少し高級感があるところだった。

「脱いで」
「え…」

田崎はあたしを見て、いつもと変わりなく優しく微笑む。
「自分で、脱いでごらん」
「………」
あたしはちょっと迷ったけど、言われたとおり上着に手をかける。
今日は上がエクリュのノースリーブに、下がベージュでふわっとした膝上丈のスカート。
素足にはスカートより少し濃いベージュのサンダルを履いていた。
それだけだから、…すぐ肌がさらされてしまう。

ノースリーブの上着を脱ぐ。
「…まだ、脱ぐの?」
田崎は黙って頷く。
「…」
あたしはスカートのホックを外す。
簡単に脱げ落ちてしまう。
もう下着姿だ。
彼の視線が痛い。
あたしが黙っていると、田崎が言った。
「下着も脱いで」
「…恥ずかしいよ、先生…」
だけど、逆らえるわけない。
「……」
あたしは背中に手を廻す。
ゆっくり、腕から抜け落ちるブラジャー。
乳房がさらけ出されると、恥ずかしさがより一層増してくる。
「もう、…いい?」
ドキドキしてしまう。本当に恥ずかしい。
田崎は、立ち上がる。

「随分、大人になってきたよな…」

彼はあたしの体を上から下まで見て言った。
「そんな風に、見ないで……先生」
あたしは恥ずかしくて先生を見ていられない。
田崎が手を伸ばす。
指先が、あたしの胸の下に触れる。
そのまま、ゆっくり乳房を持ち上げる。
「こんなに、大きくなって…」
(…いやらしい…先生…)
田崎はあたしとセックスするとき、いつもわざと恥ずかしいことをしたり、言わせたりするのが好きみたいだった。
そしてあたしも感じてしまう。
だけど今日の彼の目は、いつもよりも熱を持っているような気がした。
田崎は、目が色っぽい。
それから、薄い唇も、なんだかあたしにとってはいやらしく感じる。
細いのに案外しっかりした体も、そして長い指も、全てあたしを感じさせる。
真っ黒い髪。学校の彼からは想像できないぐらいお洒落な風貌。 
何もかもが、あたしにとっては愛しい。

先生の手が、胸からあたしの腰へと移る。
「いつのまにか、こんなに女の体になってたんだな…」

耳元で田崎が囁く。
耳が、凄く弱いのに。

彼がゆっくりとあたしのショーツを下ろしていく。
あたしは足を上げて、自分から最後の一枚を取られるのに協力する。
もう自分を隠すものは何もなくなってしまった。

あたしは田崎に促されて、ベッドへ移動した。
彼の舌が、あたしの胸の先を舐める。
「あぁっ…、あ、…あぁっ…」
指が、あたしの下のほう、あそこの間を割って濡れている部分を確認する。
「うんっ、…んっ、…うんっ…」
彼の左手で乳房をたくさん揉まれる。
田崎のせいであたしは、胸も感じるようになってしまった。
それだけでも、気持ちいいのに…

「あぁんっ、うっ、……は、はぁんっ…」

田崎は右手の指で、あたしの間にある小さな固まりを愛撫する。
そこ、凄く感じちゃうのに…

田崎は体を起こすと、あたしの脚を開く。
指先で、あたしの敏感な部分を左右に弾いた。
「あっ、あ、…あっ、はぁんっ…」
あたしの小さなあの部分はきっと大きくなっていて、感じれば感じるほど益々敏感になってしまう。
(入れて欲しい…)
触られているそこだけじゃなくって、あたしは女の子の穴の方まで感じてしまう。
自分でもどんどん濡れていくのが分かる。
何も入ってないあたしのあそこが、何かを求めるように感度を増していく。

「あんっ、あんっ…あ、…あぁんっ…」

あたしを弾く彼の指の動きが早まる。
自分の感覚が、一斉に一点に集中していく。
(もっと、…もっとして…)
「梶野、腰、動いてる…」
「ぁあっ、せんせ…うあ、…いやぁんっ…」
あたしは首を振る。
恥ずかしくて止めたいのに、無意識のうちに腰が動いてしまう。

(だって、気持ちいいんだもん…)

もうすぐ、昇りつめてしまいそう。
「う、あぁぁぁんっ!」
彼の左手の指が、ずっと欲しがってたあたしの穴に入ってくる。
あたしはこの感覚を離さないように、田崎の指を締め付けた。
そして彼の右手の指は、更にあたしを弾く。
(もうだめ、…もう…もう…)
内側と外側から、そして下半身から全身へと、甘くて激しい波が押し寄せる。

「せんせ、…あぁっ!いっちゃうっ!…うあぁぁんっ!」

あたしは体中から、この快感を解き放った。



「はぁ…、はぁ…はぁ…」

あたしはぐったりして、暫く体を震わせていた。
だって久しぶりなんだもん。
なのに、田崎は全然遠慮とかしてくれない。
「梶野」
「……うぅん?」
だらんとベッドに寝そべったまま、顔だけ彼の方へ向ける。
田崎のことが苦しいぐらい大好きなのに、エッチが始まってしまうといつも自分を見失ってしまう。
それぐらい、先生は上手だった。
「起きて」
「うん……」
あたしは田崎に腕を引っ張られて体を起こした。
大きなベッドの横には、白い薄地のカーテンが引いてある。
田崎がそのカーテンを開けると、大きな鏡があった。

「……」
あたしの体が目に入る。
自分の体だけど、こうして見ると強烈に恥ずかしくなってくる。
この体を、いつも先生に見られてるんだ。
田崎はあたしの横に座りなおして、鏡の方へ自分の足を向けた。
先生の体も、まともに見てしまう。
彼のは、ずっと大きいままだったんだろうか。
あたしを愛撫している間も…
そう想像すると、ぞくっとする程また興奮してくる。

横に並んでるあたしの腰を、田崎は自分の方へ引き寄せる。
「やっ…なにっ…」
彼の太ももの上に座ってしまう。

「…梶野、自分で入れてみて」

「えぇっ…」
田崎は上半身を半分起こして仰向けの格好になっていた。
その上に彼に背を向けてしゃがんでるあたし。
目の前には、鏡。
「早く……。オレも、もう待てないよ」
(そんなこと言わないで…)
あたしは赤面していたと思う。
どうしていいのか分からなかったけど、先生には気持ち良くしてもらっちゃったし、自分ばっかりっていうのもどうかなって思って。
でも…
「…先生〜…」
あたしは困った声を出した。
田崎があたしの腰をいやらしく撫でる。
意を決して、彼のものを手で掴んで、先を自分のあそこに当てた。

「あぁうぅぅぅんっ…」

自分でもいやらしい声出しちゃったなと思った。
久しぶりの彼は、やっぱり凄く凄く気持ちいい。
まだ全然動いてないのに。
それに、まだ先の方なのに。
ちょっとずつ、田崎のものを自分の中に沈めていく。
「ちゃんと、脚、開いて」
「えぇっ」
後ろから手を廻されて、膝を開かれる。
「…いやぁんっ!」
目の前の鏡に、自分の姿が映る。

……すごい格好だ。

「自分で、ちゃんと開いて」
やだ、脚を閉じちゃいたい。
「いやぁんっ…、だめ…先生っ…」
あたしは脚を閉じて、彼を入れたままその上にしゃがみこんだ。
しゃがんだせいで、それからあたしが濡れているせいで、彼のものが奥まで入ってしまう。
「あぁぁんっ、…んんっ…」
あたしの反応を見て、田崎が下から少し動かしてくる。
「あっ、…あ、…うぁっ、…あぁっ…」
(だめ…久しぶりすぎて…も、…気持ちいいっ…)
田崎はゆっくりと動かし続ける。
「うぁっ、あっ、…あぁっ、…あぁぁんっ…」
(あぁん、気持ちいいよ…)

おもむろに彼の動きが止まる。
「ハァ…、ハア…」
あたしの中で生まれ始めてた快感が、田崎の動きと一緒に止まってしまう。
「先生…?」
「梶野が、動いて。ちゃんと脚も開いて」
「………」

あたしは先生の上に乗ったまま、暫く考えていた。
体の中心にある彼のものが、とても熱くて、
そしてそれをもっと感じたいのに。
「恥ずかしいよ…せんせ…」
「見たい…梶野が動くところ」
…そういう風に言われてしまうと、あたしは逆らえない。
結局いつも、田崎の思うようにされてしまう。


あたしは少し脚を開いて、そして少し動いてみた。

「あぁ、…あぁ、あっ…」
「もっと、開いて。梶野」
「うぅっ…、うぅんっ…」

あたしはもう少し脚を開く。
目を閉じたまま、自分の腰を上下に動かした。
背中に先生の視線を感じる。
後ろから見られてるのも、すごく恥ずかしい。
「はぁっ、…あぁっ、あぁんっ…」
田崎のが大きくなってる。あたしの中で。
動くたびに、自分の奥に当たって、どんどん気持ちよくなってしまう。
「目、開けて。…ちゃんと前を見て」

あたしは薄目を開けた。

目の前に見えたのは、自分の、すごくいやらしい表情。

そして、イヤでも目に入ってくる。
表情と同じくらい、それ以上にいやらしい自分の体。
脚を広げてた。
そして動いていた。
あたしの体の中心には、先生のものが。

「いやっ…、うあ、やぁっ…」
あたしは恥ずかしくてまた目を閉じる。
本気で恥ずかしい。
そして恥ずかしいと思う程、体の感度は増していく。
「ちゃんと、…オレとつながってるとこ、見て」
「あぁっ……」
あたしはまた目を開ける。
田崎も動いていた。
あたしは田崎の動きに合わせて、体を上下に揺すっていた。
(いやらしすぎる…恥ずかしいよ…ダメだよ…)

見てしまった。
彼と、つながっているところ。

「ちゃんと、見て…。オレが、入ってるだろ…?」
「うんっ……、はぁっ、あぁっ…」
生々し過ぎるよ…。
あたしはすっごく感じてしまっていて、そして上になって動いているから、あたしの中から溢れたものがまともに田崎を汚していた。

彼が出たり入ったりするたびに、ますます彼のものはあたしので白く汚されていく。
(こんなこと、してるんだ……)
こんな風に見てしまったのは、初めてだった。
(なんて、いやらしいの…)
エッチな本とか、ビデオとか、そんなものが吹き飛んでしまうぐらい。
自分が猛烈にいやらしい。
そして、もっともっと感じてしまう。

田崎は自分の体を起こして、あたしの腰を引っ張った。
あたしは後ろにお尻から引っ張られて、よつんばいで腰を引いた形になる。
動きが自由になった彼は、さっきとは比べられない激しさで私を突いてくる。
「あぁっ、…あ、うあぁんっ、あぁんっ!」
(だめ…、すごい気持ちいいっ、…だめぇ…)
あたしは喘ぐしかなかった。
後ろから田崎に突かれるままに。
さっきイってしまって間もなかったから、あたしの体はまた昇りつめようとして新しい波をあっという間に作り出してしまう。
「あんっ、あ、あ、…あっ、んぁぁっ…」

彼はあたしの両腕をつかむ。
そしてあたしを後ろから引っ張る。
腕を引っ張られて、上半身が持ち上がる。
もちろん田崎と繋がったまま。


目を開けると田崎に突かれている自分が目に入る。
その姿は、ホントにいやらしかった。
自分じゃないみたいだった。
彼に後ろ手にされて、更に突き出された乳房が揺れている。
「あぁっ、…あ、あぁっ…」
自分の喘ぐ顔が、恥ずかしいのに、止められない。
「梶野…、すっごい…キレイだよ…」
田崎の動きが激しくなる。
先生とあたしの体がぶつかり合う音が強くなる。

(もう、だめ…、いい…良すぎちゃうっ…)

あたしの下半身は快感で蕩けちゃいそう。
そしてその甘さは全身へと拡がっていく。
苦しいぐらいに。
(だめっ…いやぁ…)


「うあ、うあ、…っ、せんせぃっ、…もう、だめぇっ…!」
あたしは体から力が抜けて、
そのまま崩れていった――――

 

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