久しぶりに太郎くんと街を歩く。
11月の表参道は、まだ月が始まったばかりなのにもうクリスマスの雰囲気だった。
クリスマスって凄く嬉しい。
太郎くんの誕生日と、私の誕生日と、でイエースキリストの誕生日と。
とにかく嬉しい事づくしで、太郎くんと付き合ってからの毎年の12月は私は楽しみで仕方がない。
「いいよねぇ〜。クリスマスは〜。ワクワクしちゃうよね〜」
太郎くんと手を繋いで並木道を歩く。
原宿が近いのに、表参道の雰囲気はなんだか大人っぽい。
今日は太郎くんは丸一日私と一緒にいてくれる。
こんな風に過ごすのは、2ヶ月ぶりだ。
「私、今年クリスマスプレゼントなんていらないよ」
太郎くんを見上げながら言う。
並ぶと私よりもダイブ目線が上にある。
いつのまにこんなに大きくなっちゃったんだろ。
「なんかあげたいよ。涼子に…せっかくハタチの誕生日だし」
太郎くんはいつからか、私のことを『涼子』って呼ぶ。
『涼子ちゃん』って呼ばれるのも好きだけど、呼び捨てにされると年が近い感じがして嬉しい。太郎くんはいつも私にすっごく優しくしてくれるけど、時々はワガママとかも言ってほしい。それから強く何か言われたりもしてみたい。
いっつも太郎くんは私に気を使い過ぎってぐらい、優しすぎる。
「何にもいらないから、太郎くんとゆっくり過ごしたい」
太郎くんは私の言葉を聞くと、嬉しそうに微笑む。
(か、…かわいい…)
付き合って結構長いのに、私にとって太郎くんはいつも新鮮。
特に照れて笑う表情なんて、ピンポイントで私のツボに入るって感じでたまらない。
最近は可愛いだけじゃなくって、太郎くんはちょっと男っぽい。
背が伸びたせいもあると思うけど、もう高校3年っていうのもあると思う。
前よりもずっと大人っぽくなった。
なのに、カワイイ。
あーやっぱりたまらない。
「ねぇ、今年も一緒に過ごしてくれる?」
「うん。もちろん」
太郎くんが繋いでる手をもっとギュって握る。
「絶対だよ。ゆっくり過ごすんだよ」
「うん。…その日ぐらいは、オレもちゃんと予定空けるよ」
今日は凄いいいお天気で、太郎くんの茶色っぽい髪が余計に明るく見える。
晴れの日って、大好き。
なんだかそれだけで嬉しくなってくる。
今日は太郎くんと一緒だから、もう最高に嬉しい。
「涼子?」
なんだか懐かしい声が私を呼ぶ。
前から歩いてきた男を見ると、びっくりだ。
「タ…、タケル??」
昔、私とエッチ友達だったタケル。
私よりも3つ年上だったから、もう社会人のはずだ。
実際目の前にいるタケルは、かなり大人っぽかった。
前みたいにヘンなロン毛にしてない。
ちゃんと清潔感があって、元々男前だったのが更にいい感じになってる。
服装もスーツ着てて凄いマトモ。
「やっだぁ、久しぶり!何してんの?」
「涼子こそ、今何してんだよ。急に連絡とれなくなったと思ったら」
私は太郎くんと付き合い出してからメールアドレスを変えて、
それまで交流のあったほとんどの人に連絡するのを止めたんだった。
「うーん色々あってさ、今専門学校行ってる。タケルは?」
「もう働いてるよ」
そう言って、ポケットからゴソゴソ何かを取り出す。
皮のケースから、名刺を一枚出した。
タケルが太郎くんを見る。
それも、上から下まで値踏みするみたいに。
何か感じワル。
「ここにいるからさ、何かあったら連絡しろよ。じゃな」
私に名刺を渡すと、もう一度太郎くんと私を見てさっさと行ってしまった。
私は太郎くんを見る。
太郎くんも私を見た。
「昔の、…トモダチ」
私は言った。
「ふぅん…」
太郎くんと街を歩いてるとき、何度かこういう場面って今までもあった。
そういう時って、必ず相手のオトコが太郎くんの事をヘンな目で見る。
もっと前は太郎くんがすごく幼く見えたから、余計にバカにしたみたいに見られてた。
せっかく久しぶりのデートなのに。
よりによって何年ぶりかにタケルに会っちゃうなんて。
あぁ、太郎くん、ちょっと機嫌が悪くなった。
何かちょっとムっとしてるのが分かる。
私は太郎くんの腕を掴む。
「今日、どうする?これから何処行こうか?」
気を取り直して、太郎くんに話し掛ける。
「涼子…」
「なぁに?」
太郎くんがちょっと黙る。
「……」
「…?」
「…ホテル、行ってもいい?」
太郎くんが私を見ずに言う。
「うん、…いいよ」
私も太郎くんを見ずに返事をした。
いつも私のうちで過ごす事が多いから、ホテルに来たのは本当に久しぶりだった。
「涼子……」
太郎くんにいきなりベッドに押し倒される。
「太郎くぅんっ…」
キスする。
たくさんキス。
「太郎くん、大好きだよ」
何回も何回も言ってるけど、まだまだ伝えきれない。
「涼子、…オレも、好き」
太郎くんがギューっと私を抱きしめる。
「ねぇ…太郎くん」
「うん…?」
「コートぐらい脱ごうよ」
私も太郎くんも上着を着たままだった。
「そうだね」
太郎くんは恥ずかしそうに笑いながら、私から体を離した。
「涼子、もう、すっごい濡れてるよ…」
「だって…あぁ…」
愛撫もそこそこに、太郎くんが私の中に入ってくる。
「あぁぁっ、はぁんっ…」
久しぶりのせいで、入れただけですっごく感じてしまう。
私は裸の太郎くんにしがみつく。
太郎くんは着やせするタイプで、実際は鍛えてるだけあってすごくいい体してる。
そんな太郎くんも大好きで、ますます私を欲情させる。
太郎くんの肩。
男って感じがして、たまらない。
私の胸に触れる太郎くんの胸。
胸の筋肉の感触でさえ気持ちがよくって、私の乳首はもっと固くなってしまう。
「涼子…好き…」
太郎くんは普段も、エッチのときも、『好き』っていっぱい言ってくれる。
私はそれを当たり前のように聞いているけれど、ホントはいつもとても嬉しい。
太郎くんの贅肉のついていない腰に私は脚を廻す。
自分から太郎くんを引き寄せる。
「うあぁんっ…」
更に奥、太郎くんを感じてしまう。
「はぁんっ、…そこが、…気持ちいいっ…」
「涼子…」
太郎くんはちゃんと奥を突いてくれる。
「あぁっ…、お…、おっきい…太郎くん…」
大きくて固い彼のものが、私の中を溶かす。
「涼子……も…、イっていい…?…んんっ…」
太郎くんの声、…それも私を感じさせる。
「いいよ…太郎くんっ…」
「…涼子…」
私は脚を抑えつけられて、激しくなる動きを受けとめる。
「あぁっ、あっ、…あ、あ、あぁっんっ…!」
中で更に大きくなるが分かる。
私がちょっとイきそうになったとき、太郎くんは私の中から自分のものを抜いた。
「すごーい、太郎くんの身体、好き…」
太郎くんの胸を撫でながら私は言った。
「キレイな体だよね…。太郎くんって」
私は彼の胸にキスする。
太郎くんは私の肩を抱いている。
「涼子の体の方が、ずっとキレイだって」
背中を撫でられる。
「あー、もー、くすぐったいよ」
私は背中がすごく弱くって、ちょっと触られてもダメ。
それを面白がられて、太郎くんにはしょちゅう意地悪される。
私は太郎くんの小さい乳首を舐める。
「ここ、感じる?」
「んーあんまり」
変なの。私はすごく感じてしまうから。
時々おっぱいが凄く感じる男の人っているけど、太郎くんはそうじゃないみたい。
「このへんは?」
私は太郎くんのお腹を触る。
「全然」
「くすぐったくもないの?」
自分がこんな風に触られたら、多分普通に喋ってられない。
「あんまり」
「太郎くんって、くすぐったがりじゃないね」
ちょっと下に手を伸ばすと、太郎くんのに触ってしまう。
「今はあんまり大きくないね」
私は太郎くんを見て笑う。
「だって、今出したばっかじゃん」
太郎くんも私を見て、ちょっとキスしてくれた。
「あぁぁんっ」
太郎くんが、私のあそこを触る。
「涼子はすっごい濡れてるね」
太郎くんが笑って言う。
「だって、今したばっかりだもん」
太郎くんが指を動かす。
「んんっ…、もぉ…っ…あぁんっ…」
そのまま、なんとなく愛撫が始まっちゃう。
いかされちゃいました。
「あーん、もう…」
私はまだ荒い息のまま、ベッドの上でぐったりしてる。
「こんなことしちゃ…ダメだった?」
太郎くんが耳元にキスしながら私に言う。
「……ダメ、なわけないでしょ…もぉ…」
私は太郎くんの手を握る。
太郎くんも握り返してくれる。
目が合うと、いつも微笑んでくれる。
だから私も笑う。
鏡みたいに、私たちは愛し合ってる。
「お風呂入らない?涼子」
「あぁ!入りたいー!」
うちよりも全然広いから、私はラブホのお風呂が好きだった。
「太郎くーん、入れてきてー」
「うん」
太郎くんはすぐにお風呂場へ行ってくれる。
帰ってきたとき、冷蔵庫から飲み物を持ってきてくれた。
もういちいち優しー。
「ねぇーテレビつけて」
お風呂に二人で入りながら、テレビを見る。
「いいよねぇ〜。お風呂場にテレビ。憧れるよ〜」
「最近新築マンションって、ついてたりするらしいよ」
太郎くんが私を後ろから抱きしめながら言う。
「ホントにー?」
「この前同じクラスのヤツが引っ越してさ、家のフロにテレビついてるって言ってた」
「マジー?すっごい羨ましい!いいなぁ!そんなんだったらお風呂で生活できるかもだよ」
私は大のお風呂好きなんだ。
あとこんな風にジェットバスっていうのも憧れる。
「太郎くん、いつかそんなマンション買ってよ。で、私を一緒に住まわせて♪」
「いいよ。マンション買えなくてもさ、一緒に住んでよ」
なんか、キュンってなる。
すっごい嬉しい。
太郎くんと一緒に住むなんて、特に今の私には夢のようだ。
私は太郎くんに向き直る。
「好き」
太郎くんにキスする。
太郎くんの口の中に、私は舌を入れる。
太郎くんが私の舌を吸う。
もうこれ以上深くは入れないってとこまで、私は太郎くんの口の中に自分の舌を押し込む。
膝から下を浴槽に入れたまま、私は壁に手をついて立って太郎くんの愛撫を受ける。
太郎くんの指が私の中で動く。
テレビは消してたから、私の足元の水音と私から出るくちゃくちゃいう音がお風呂場に響く。
後ろから指を入れられると、感じるところに当たりやすくなる。
それで立ってるから、余計に普段よりも感じてしまう。
「涼子…」
太郎くんが少し私の腰を引っ張る。
私はちょっとお尻を突き出した格好になって、壁に体重をかける。
「あぁぁんっ、んぁ、あ、…あ、あぁっ…」
ダメだよ、太郎くん…それ、すごい感じちゃうのに…。
さっきみたいに可愛い音じゃなくって、私の中から下品な音が漏れてしまう。
そんな風に動かしたら、…ダメなのに…。
「あぁ!…あぁぁんっ!あ!…あぁぁんっ」
中の方が、どんどんヘンになっちゃう。
太郎くんの指が、どんな風に動いてるのかさえ分からない。
だけど、すごく感じてる。
立っていられない。
腰が崩れてしまう。
「ちゃんと、立って…涼子」
太郎くんが私の腰を抑える。
私は壁に手をついて、なんとか立ってる姿勢のままでいる。
太郎くんは動かす手を緩めてくれない。
「あぁっ、ダメっ…、ダメダメ、…太郎くぅんっ…!」
なんかすごくヘン。
太郎くん、どうやってしてるの…。
中が、…すごく、いい。
『性器』なんだ、って感じる。
太郎くんの指が当たるところ、全部が性感を起こす。
体の力が入って、抜けて…。
私がぐちゅぐちゅいう音が、いやらしくお風呂場に響く。
「ダメ、…ほんとにっ…あ、…あんっ、あんっ…!」
背中の方に、快感が突き抜ける。
首筋を通って、更に全身に広がる。
「いくっ、…あっ、…いっちゃぅぅっ!…はぁぁぁぁんっ!」
広がった快感は、私を押しつぶすように全身に染みる。
お腹の奥の力が一気に抜けていく。
「あぁぁぁっ!…あぁぁぁんっ!」
体がガクガクする。
全身が震えてしまう。
バシャバシャいってる音は、私の足元だけじゃなかった。
「涼子ちゃん…、見て」
久しぶりに太郎くんに涼子ちゃんって言われた。
太郎くんは倒れこみそうな私を左手で抱えて、右手を私の顔の前に出した。
太郎くんの腕、肘の方までびっしょり濡れてる。
「もしかして…」
私は太郎くんを見る。
「これ、涼子ちゃんが出したんだよ」
太郎くんの手のひらはぐっしょり。
分かる。昔、遊んでた頃にこうなった事が何回かある。
「私…、潮、…噴いちゃった?」
なぜか太郎くんが恥ずかしそうにしてる。
「そうみたい」
太郎くんが答える。
お風呂場で良かったって私は思う。
その後の跡を見るのが、すごく恥ずかしいんだよね。だけど。
「恥ずかしい…太郎くーん」
私は太郎くんに抱きついた。
太郎くんは私にシャワーを浴びせさせてくれて、
その後タオルで体も拭いてくれた。
そしてちゃんとベッドまで連れて来てくれる。
「恥ずかしい…あんなになっちゃうなんて」
私は太郎くんの腕の中で言った。
「びっくりした…」
太郎くんが言う。
「大丈夫?」
「うん…」
ああなると、すごく体力を消耗する。
ああされるのって、そういえばあんまり好きじゃなかった。
だけど太郎くんにされるなら、それも嬉しいんだなって思う。
「ホントに大丈夫?」
「うん」
私は答えた。
太郎くんが私に覆い被さってくる。
「大丈夫だよね?」
「うん」
太郎くんがキスしてくる。
「ホントに…」
「大丈夫だってば」
私もキスのお返し。
太郎くんの両手が、私の両手を掴む。
そしてまたキス。
「もう、…オレがガマンできない」
太郎くんが小さい声で言った。
「うん……私も太郎くんとしたい…」
キスを繰り返しながら、私はまた太郎くんと一つになった。