ラブで抱きしめよう

☆7 夏休み

   

夏休みになった。

学校があるときよりもずっと、私たちの時間は自由になった。
太郎くんは午前中部活のことが多いから、私も適当にアルバイトとかした。
近所の24時間営業のファミレスのウエイトレス。
我ながら地味なバイトだと思う。安いし。
でも、これからはマジメに生きようと思う。
ファミレスの近所には子供用の施設があって、昼は親子連れでもの凄く混雑した。
麗佳や他の友だちは、勉強してるみたいだった。
やっぱり高3だしね。
受験のない私は気楽だった。

バイトが早く終わったから、私は珍しく学校まで太郎くんを迎えに行った。
私は勿論私服。
制服を着ないで学校にいると、なんだかちょっと緊張しちゃう。
私、私服だと高校生に見られないことが多いんだよね。
雰囲気が老けてるのかなぁ。

学校の敷地内で、同学年の男とすれ違った。
「何だよ、もしかして藤田待ってんの?」

バスケ部の卯田ってヤツだ。
思い出したけど、こいつとは中学も一緒だった。
おまけに当時、拝み倒されて仕方がなく一回だけエッチな事した。
更に思い出したけど、そのときは結局何もしないうちに興奮した卯田がイっちゃったんだったけ。
私は服も脱いでなかったと思う。
でもチューはしちゃったな。(考えてみればホント私もカルイな…)
プライドが傷ついたのか、それ以来卯田とはほとんど喋ってない。

「そうだよ、もう練習終わった?」
卯田はすごいデッカイから、私は顔を上げる。

私の上から下まで見る、卯田の視線を感じる。
やっぱこいつの目つきはヤラしい。
「なんで春日が藤田と付き合うようになったワケ?」
ぶしつけな事、卯田は聞いてくる。
こうやってよく見てみると、そんなに悪い男じゃない。
特に高校に入ってからは垢抜けた感じだ。
だから私と失敗したことは、卯田にとっても余計恥ずかしい過去なんだろう。
気にしてるんだろうな、私は誰にも言ってないのに。
「う〜ん、よくわかんない…私が太郎くんに一目惚れしたからかも」
私は笑いながら言った。
ナゼか卯田の顔が赤くなる。
「あぁっ、そっ。へぇ………、んじゃな」
バツの悪い顔をして、卯田は歩きだした。
私のすぐ後ろで他の男子と合流して、そのまま行ってしまった。

遠くから、会話の端が聞こえた。
「…ホントむかつくぜ、藤田…」


「いいなぁ、太郎は!」
部活が終わって、太郎くんの友だちの須賀くんが一緒に付いて来た。
「邪魔していいっすか?」
「いいよ、どうぞどうぞ」
私は笑って答えた。

太郎くんは、私と友だちの間でなんだか恥ずかしそうにしてる。
汗をかいた後の太郎くんの髪の毛は、ぺしゃんこになってた。
地毛で少し茶色がかった太郎くんの髪の毛はサラサラで、余計に彼を幼く見せた。
その点、須賀くんの方が大人っぽい。背もずっと高いし。
「なんか、須賀くんって大人っぽい感じするね」
私が言う。
「実際、こいつ年1つ上なんだよ」
太郎くんが答えた。

「えー、そうなの?」
「中学出て、1年留学行ってたから」
須賀くんが言う。
「へぇ!留学なんてカッコいい!」
「かっこいいかどうかは置いといて、涼子ちゃんも大人っぽいっすよ!やっぱ私服だからかなぁ!」
須賀くんは私のことを「涼子ちゃん」と呼ぶ。
私は別に気にしてない。
「涼子ちゃんって、言うな」
太郎くんは気にしてるみたい。
「涼子ちゃんって言ったら、ダメっすか?」
須賀くんは私の顔を見て言う。
髪の毛はキッチリ染められてて、短くしてツンツンしてる。
中田がかけるみたいな眼鏡をかけてて、『いかにも』って感じだ。
「いいよ〜。別に。…あ、太郎くんが、イヤ?」
私は太郎くんに聞いた。
「べつに〜」
太郎くんはちょっとフテてる。
「こいつ、ガキなんっすよ!」
須賀くんが太郎くんを叩く。
太郎くんのちょっと子どもっぽいところ、でもそんなとこも私は大好きだ。

なぜかその後流れで、太郎くんと須賀くんとお昼ゴハンを食べた。
友だちと一緒にいる太郎くんを見るのはなんだか新鮮で、嬉しかった。

うちに着いたら、もう3時過ぎてた。
部屋に入るといきなり太郎くんに抱きしめられて、キスされた。
「えっ、……いやぁんっ…」
そのまま、ベットに押し倒される。
「やっ…、どうしたの…?」
「どうもしないけど」
後ろから抱きしめられる格好で、私は身動きがとれない。
「だって、学校で私服でいる涼子ちゃん……可愛すぎるんだもん」
耳の後ろから、太郎くんが言う。
そして私の首筋にキスしてくる。

「う、うぅんっ…」

私はくすぐったくって、思わずブルっとなってしまった。
開いた脇の下から太郎くんの手が入ってくる。
「あ、…あぁん」
ノーズリーブの間から、おっぱいを触られる。
ストラップレスのブラだったから、太郎くんはそれを簡単にずり下ろした。
「やんっ、…あんっ…」
「すごい、可愛い…、も〜、涼子ちゃん、大好き」
太郎くんは私の上着を胸の上まで捲り上げる。
おっぱいだけが露出して、太郎くんが両手でそれを揉む。
「んっ、ふっ…ふぅんっ…」

太郎くんの手が、私の腰を撫でる。
スカートが捲り上げられる。
片手でおっぱいを触って、もう一方の手は私のパンティを脱がしていく。
ベッドの上、私は四つんばいの状態で腰が浮き上がる形になっていて、服を着たまま恥ずかしいところだけ丸見えになってる。
(いやぁん…)
後ろから見られて、私はもう恥ずかしくて死にそう。
絶対もうぐしょぐしょだ。
太郎くんは私の間を触る。
「あぁ、いやあんっ…!」
太郎くんが手を離す。
そして、また私に触った。
ペチャペチャと、私のあそこが音を立ててる。
多分、太郎くんがわざとそうしてるんだ。
(あ、あ、あーん、気持ちいいっ…)
「すごい濡れてる…」

「もうダメだ、全然ガマンできない」
(…太郎くん?)
「えっ…」
振り返ろうとすると、太郎くんにしっかりと腰を捕まれた。
「あっ、あぁんっ!」
太郎くんが突然、私に入ってきた。
ほとんど愛撫されないままなのに、それでも充分に濡らしてしまっていた私は簡単に彼を受け入れてしまう。
まだ服着てるのに。

「うっ、うぅん、…あ、あっ…た、太郎く、ん…」
「うっ、…はぁあっ…」

太郎くんも声が漏れた。
その声で私は益々興奮してしまった。


「はぁ、…はぁ…」
私はそのままうつぶせでぐったりしていた。
「もぉ…、バカぁ…」
太郎くんは私をキレイに拭いてくれてる。
恥ずかしかったけど、私は彼にされるがままでいた。
「ごめん、…も、めっちゃやりたくてしょうがなかったから…」
太郎くんはズボンを上げて私の横に転がった。
捲くれていたスカートを直して、私も太郎くんの方に向き直った。

「涼子ちゃん、今日オレを待っててくれたときから凄く可愛くってさ…ホント、オレの自慢の彼女なんだよ」
「ホント?」
私は嬉しくなってしまう。
「うん。オレ周りのヤツらから一目おかれるぐらいだもん」
「へ〜。うれし〜〜〜♪」
「だけど、……ちょっとダメかも」
「へ?なにが??ダメ??」
私はちょっと不安になる。
「全然ガマンできないよ。すぐにでも襲いたくなっちゃうよ」
そうして太郎くんはぎゅっと私を抱きしめてくれた。

しばらくムギュっとされた後、私は言った。
「太郎くんがよければ、私はいつ襲われてもいいよ?」

「だ、か、ら、そういう態度だからダメなの!ちょっとは拒否しなよ」
太郎くんは笑いながら、私の頭をくしゃくしゃにして撫で回した。
なんかこういうのってすごく嬉しい。
太郎くんになら、何をされてもきっと嬉しいんだろうな。

今年の夏は、今までで一番幸せな夏になる予感がした。

 

ラブで抱きしめよう
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