ビター(夢色続編)

CLOSE8 ☆☆ 二十歳 ☆☆

   

「ねえ、もっとプレゼントっぽいのじゃなくって良かった?」
輝良の部屋で、麗佳は輝良に言った。
「いいよ、充分だよ」
本気で困っている麗佳の膝を、輝良は触る。

「だって、あたしあんまりお金払ってないよ?」

4月の輝良の誕生日に、彼が欲しいと言ったものは携帯電話とストラップだった。
それでも携帯はポイントが貯まっていて、結局機種変更にかかるお金はほとんどなかった。
ストラップの値段も知れていた。
「なんかもっと…欲しいモノってないの?」
「んー、じゃあ、『麗佳』」
輝良はニヤニヤする。
「……そんな今更…そういんじゃなくって…」
麗佳は困って彼を見た。
輝良は麗佳の肩を叩いて、彼女から少し離れる。
「だって、ホントにオレが欲しいものって『新車』かなぁ…」
そう言って手を伸ばして新しい携帯を取った。
「それは予算オーバー過ぎだよ…」
「ははは…車なんか自分で買うよ」
輝良はまだ新品の白い携帯を開いた。

「ねえ……」

「うん?」
輝良は麗佳の方を見た。
二人でベッドに寄りかかって何となくテレビを見ていた。
午前中から一緒にいて買い物したりしながら、早めの晩御飯を食べてすぐに輝良の部屋へ来た。
コーヒーを入れて、一息入れていたところだった。
「テルって、昔のメールとか取っておく?」
「うーん…全然気にしたことない」
答えながら輝良は携帯をいじる。
「そういうもんなの?」
麗佳はちょっと驚いたが、輝良ならそうかもしれないなとも思った。
「あ、麗佳との写真は保存してるけど?」
笑いながら輝良は言った。
「……消さないでよ」
麗佳は膝を抱える。

「オレさー、麗佳と付き合うまで自分の携帯の写真機能とかあんまり使ってなかったんだよな」
「そうなんだ?」
男の人って案外そうなのかも知れないなと麗佳は思った。
二人で写真を撮ることさえ嫌がっていた田崎のことを思い出す。
「ああ、でも…なんか街でおもろいネタがあったりしたら撮ったり…
あと、飲み会とかで面白かったりしたときとか撮るなぁ……だからくだらない写真ばっか。
この前のサカモトの泥酔写真、すっげー面白かっただろ?」
「あれは面白かったね」
麗佳は思い出して笑った。
そう言う麗佳自身もあまり写真を撮るほうではない。
それでも輝良と付き合いだしてから、携帯で二人の写真を撮ったりはしていた。
麗佳の携帯で撮ることが多かったが、輝良の方でも撮ることもある。
「でも女の子とかって、好きかもね。写真撮るの……。あたしはそうでもない方だよ」
「そうだな。…なんか麗佳は全てにおいて淡々としてると思うよ」
輝良は手を伸ばしてコーヒーを取る。
温かい日で、彼は部屋でGパンにTシャツ1枚だった。
伸ばした腕にくっきり入る筋肉の線とか、そのまま繋がる指先までのラインが、麗佳は好きだと思う。
「淡々としてるかな……。……してるね」
自分でもそう思って笑ってしまう。

麗佳は携帯に、田崎のアドレスは勿論メールのやりとりも削除できないまま残していた。
何となく、輝良には後ろめたい気持ちがあった。
それでも完全に田崎の全てを消してしまう勇気は、麗佳にはなかった。


「麗佳、……メールとか消せないだろう?」

「えぇっ?」
唐突に指摘されて、そこまで顔に出てたのかと思い、麗佳は本当に驚く。

「なんか、そんな感じするから」
(図星だったんだな)
輝良は麗佳の反応を見て、苦笑してしまう。

「……あのさ…」

「なに?」
神妙な表情の麗佳を、輝良は見守る。
いくら時間が経っても、田崎の存在感は輝良の中でも消えてなくなるものではなかった。
やはり時々思い出してしまう。
こんなにも麗佳が近くにいるのに。

「テルとしてはさぁ……やっぱ、…消した方がいいよね」

「……」
輝良は単刀直入にそう聞かれるとは思っていなかったので、一瞬返答に詰まった。


(テルが、『消して欲しい』って言ったら……)
麗佳は考える。
(ふんぎりが、つくかもしれない……)
今までも何度か削除しようかと思ったときはあった。
でもそう思うのは一瞬だけで、すぐに迷い、結局は消せなかった。
田崎との思い出までも、自分の中から消してしまうような気がして。


「オレはあんまり……気にしないけど?」

普通の顔で輝良にそう言われて、麗佳は力が抜けてしまう。
(『消せ』…って言われたら、消したかもしれないのにー…)
「そ、…そう…」
なぜか落胆して麗佳はそれだけ言った。

(またゴチャゴチャ考えてるんだろうな…)
輝良はそう思いながら麗佳を見ていた。

暫く沈黙があった。


「あのさ、残しとけば?」


「えっ……」

驚いて麗佳は輝良を見た。
輝良は麗佳を見て微笑む。
「オレ、マジでそういうことってそんな気にする方じゃないし……。
なんかそういう事で麗佳が悩むぐらいなら、別に消さなくてもいいじゃん。
っていうか麗佳がまたそんな事で色々考えたりする方がオレ的には辛いし。
…だから、オレは別に残しておいてもいいと思うし、無理に消さなくてもいいぜ」
「テル……」
「だから、……悩むぐらいなら、残しとけ」
輝良の言葉は本当に麗佳には意外だった。

自分の立場から考えて、もしも輝良の携帯に前の彼女とのやり取りがいつまでも保存されていたら……
理性的になろうと思っても、どうしてもイヤな気分になってしまうだろう。
それなのに、輝良はそんな風に答えてくれた。
「なんで……」
思わず麗佳は口に出していた。

「そんな顔するなよ」
輝良は麗佳の頬に手を伸ばす。
「マジで、オレは麗佳が思うほどそういう事は気にしてないから」
そして麗佳を見て優しく笑った。

(あー……もう……)

時々、麗佳は輝良が自分にとってくれる態度に胸が熱くなってしまうことがある。
(同い年のくせに、懐深いなぁ…もう……)
輝良と一緒にいると、自分が恥ずかしいぐらい小さな人間のような気がすることが多かった。

「テルのばか……」
麗佳は輝良の胸におでこをつける。
「……そうかな」
輝良は麗佳の背中に手を廻した。
「うん……」
麗佳も彼の背中を抱きしめる。


「でも、……大好き」

麗佳は輝良にそっとキスした。



「それじゃ、誕生日プレゼントってことで」
輝良は笑いながら、麗佳をベッドへ引っ張った。

「……」
手を繋いだまま、ベッドの上に二人で座る。
なぜか麗佳は正座してしまった。
輝良は麗佳の正面で足を崩す。
「麗佳」
「なぁに?」
かしこまった感じになって、麗佳はドキドキしてくる。
「脱いで」
輝良は麗佳を見つめた。
益々麗佳はドキドキしてしまう。
「…自分で、ってこと?」
「うん」
輝良はにっこり笑った。

麗佳は輝良の目の前で、薄いピンク色のカットソーを脱ぐ。
「……まだ、脱ぐんだよね?」
上目遣いで麗佳は彼を見た。
「………」
輝良はニヤニヤしたまま頷く。

スカートも脱ぐ。
麗佳は上下セットの新品の下着を着けていた。
「それ、初めて見る」
「……うん…そう」
恥ずかしくて俯きながら麗佳は答える。
白いレースの下着はデザインも色っぽくて、
特にショーツの横が紐状になっているのが麗佳のくびれたウエストのラインを更にいやらしい感じに見せていた。
輝良は間近で改めてみる自分の彼女のスタイルのよさに、しみじみと感激する。

「麗佳、…綺麗だよな」

「そんなこと、ないよ……」


胸からおへそにかけてのラインの滑らかさ、
折れた太ももの向こうにあるショーツの露出さ加減…
そして何よりも、麗佳の可愛らしい顔が輝良を興奮させる。

「あんまり、見ないでよ……」
麗佳は視線にガマンできなくなって、輝良に抱きついた。

「だって、ホントにすごい綺麗だぜ…?」
くっついてきた麗佳の肌に触れると、輝良はその手触りの良さにまた熱くなってくる。
「なんか、もったいないけど…」
ゆっくりと輝良は麗佳の背中を撫でる。
「後でまた、ゆっくり見せてな…」
麗佳にそう囁くと、彼女のブラジャーのホックを外した。



輝良に促されるまま、麗佳は彼の上で動いていた。
いつも以上にたっぷりとされた愛撫の後、麗佳は何度も焦らされてやっと達し、
…そして今、彼の上にいた。
「あっ、あ、あっ、…あっ…はぁんっ…」
輝良の膝を掴んで体重を預け、体を反らしながら脚を開いて、腰を動かす。
彼の方から見える景色を想像して、麗佳は更に興奮してしまう。

(麗佳……)
輝良はそんな麗佳の動きを見ていた。
勿論繋がっている部分は輝良の方からは丸見えだった。
「うぅんっ、あっ、あ、…あぁっ…」
部屋に彼女の声が響く。
大きめの乳房が体の動きとは違うタイミングで揺られる。
麗佳は上下に動くとき、腰自体も前後に振ってくる。
その動きは慣れていて、輝良のものを愛撫していると言ってもいいぐらいだった。
麗佳の体が離れるとき、輝良自身のものが濡れながら露出してくる。
(すっごい、いやらしい…)
自分の体の上で動く麗佳は、『おんな』そのものだった。
(こんなこと、できるんだな……)
何気ない時、それも幸福の絶頂にいるような瞬間に、輝良には田崎の面影がよぎってしまう。
麗佳をこんなにも『女』にしたのは、自分ではなく、田崎だ。
「…麗佳……」
輝良は麗佳に手を伸ばした。

「テルっ……」
麗佳は薄目を開けて輝良の手を取った。
輝良の方から見えるその表情は、更に輝良を熱くさせるほど色っぽかった。
(ちょっと、…加減しないと…)
麗佳の動きに、自分の方が達してしまいそうになる。
輝良は体を起こした。

ベッドの上で、座って抱き合う形になる。
「麗佳、……ちょっと…一旦抜いて」
輝良は麗佳の腰に手を廻す。
「ん……」
麗佳は素直に輝良から腰を浮かせた。

「はぁっ…」
お互いにため息が漏れる。

「あっ、あぁっ……」
麗佳は思わず声を上げてしまう。
輝良が抜けた後、自分の中からドロドロと零れ出していくのが分かった。
「やっ、…やだぁ…」
輝良の肩に手を廻したまま、麗佳は彼に跨っていた。
ちょうど輝良の足の付け根の方に、自分が出したものがどんどんこぼれていく。
麗佳から抜けた輝良のものも、愛液にまみれていた。
「すごいな……麗佳」
「やだ……恥ずかしい……ごめんっ、…テル」
「なんでごめん?」
裸のまま、自分の上に乗った麗佳を輝良は見つめた。
麗佳は泣きそうな顔になって輝良を見返す。
「だって……いっぱい汚してる…」

「麗佳を、こうさせたのは…誰?」
輝良は麗佳の頬に触る。

「テル……」

麗佳はまだ感じたままの顔で、そう答えた。
唇が重なる。
輝良が体の中にいなくても、麗佳はまだ気持ちがいいままだった。

「触って…」
輝良は麗佳にそう言って、彼女の手を自分へと引き寄せる。
「あぁんっ…」
麗佳はヌルヌルのそれを触って、また声を出してしまう。
「すごい…」
「……すごいだろ?この濡れてるほとんど全部が麗佳のだぜ」
「うん……やだぁ…」
麗佳は輝良の唇の横にキスする。

(こんな……)
麗佳は手の中に余る輝良に触れながら思う。
(こんなになっちゃうんだ……)
手のひらの滑った感じが、更に麗佳を高ぶらせる。
(それに……こんなにおっきいのが入っちゃうんだ…)
麗佳は、輝良を根元から先まで確認するように触った。
そして自分の中から更に溢れてくるのを感じる。

「すごいね…テルも、すごいよ…」

「指、舐めてごらん」
「……」
輝良に言われるまま、麗佳は自分の愛液がたっぷりと付いた指を口に入れた。
「……恥ずかしいよ…」
「…麗佳、かわいい……」
人差し指を舐める麗佳の、その手の中指を輝良は舐めた。

「麗佳の味がする…」

「やだ……」

輝良の舌が伸びて、麗佳の唇に触れた。
唇を少し舐めると、指を舐める麗佳の舌に輝良の舌が移る。
そのまま輝良は麗佳の人差し指を舐めた。
「んん……」
麗佳の濡れた指を舐めあいながら、時折お互いに舌を絡ませる。
愛撫するようにゆっくりとした輝良の舌先が、麗佳を興奮させる。


指と、唇と、舌が触れ合う。
麗佳の味を、二人で味わうように。


輝良は麗佳の手を握ると、彼女の唇にしっかりと自分の唇を合わせた。

空いた右手で、輝良は麗佳の足の間に触れた。
「んんっ…」
口を塞がれた状態で、麗佳は敏感な粒を輝良に愛撫される。
(あぁ……だめ…)
既に感じている体が、少しの刺激でも大きな波を作り出してしまう。
(そこ…すごく弱いのに…)
輝良の指先がその部分を潰して左右に振る。

くちゅっ…くちゅっ…

(いや……あぁん…)
愛液にまみれたその部分を、麗佳は更に汚してしまう。
輝良の指はあくまでも優しくそこを撫でる。
「んんっ……、んん!」
麗佳はたまらなくなって、輝良の唇から逃れる。

「あぁっ……、も、…ダメ…テル…」

「うん…」
輝良は頷くと、麗佳のクリトリスを愛撫する指の動きを速める。
「あぁ!あっ……やっ、あ、……も……いくっ…」
麗佳の体に力が入り、背中が大きくのけぞっていく。
輝良は片手でそれを支える。
麗佳が達する様子を、輝良は見つめた。
(可愛い……麗佳…)

輝良は足を開いて自分に跨ったままの麗佳のそこを、奥から手の平で撫でた。
「あぁ、あんっ」
達したばかりの麗佳は体が震えてしまう。
輝良の手は麗佳の愛液でべったりと濡れる。
(すごいな……ホント…)
輝良はこんなにも感じている麗佳が可愛くてたまらなくなる。

官能を体中から匂わせる麗佳。
輝良は再び唇を重ねた。


「んっ…」
麗佳はそのまま押し倒される。
「んんんっ……」
麗佳の眉間に皺がよる。
輝良と繋いだ腕に力が入る。
彼が、麗佳の肉を分けて入ってくる。
輝良の大きさを、麗佳は無意識のうちに強く締め付けてしまう。
それでも充分に潤滑している麗佳の中は、輝良を甘く受け入れる。


(あぁ……気持ちいい……テル……)


こんなにも高ぶっているのに、とても優しい気持ちになれる自分が、麗佳は不思議だった。




二人でシャワーを浴びて、ベッドに横になる。
麗佳は今夜は泊まるつもりだった。
輝良の部屋に置きっぱなしにしている部屋着に着替えて、二人とも眠るだけの状態でくっつき合う。
「………」
輝良は麗佳にキスした。
お互いに側にいると、どうしてもすぐに触れたくなってしまう。
「はあ……」
麗佳は色っぽい目で輝良を見た。
輝良はそんな彼女を見ると、愛し合ったばかりなのにまたドキドキしてくる。
「……麗佳…」
「うぅん…」
麗佳は柔らかく輝良の指を触った。
輝良の動悸は更に激しくなる。
「オレと、前に付き合ってたときより……やっぱり随分変わったよな」
「…そう?」
頬をぴったりと輝良のTシャツの胸につけて、麗佳は輝良を見た。
「ああ……。エッチしてるときは……ちょっと、別人ってぐらいに」
先ほどの麗佳の動きを輝良は思い出す。
それだけでまた自分自身が固くなってしまう。
「だって、……あの時って…まだ15歳だったんだよね、若いなぁ…」
「そう思うと、まるで子どもだったよな」
高校時代付き合ってた頃の面影を記憶の中で追いかけようとしても、麗佳も輝良もその思い出は曖昧なものになってきつつあった。
それでも確かにお互いに今とは違うのは、はっきりと分かった。

「テル、…あらためてハタチのお誕生日、おめでと」

「さんきゅー…」
輝良は抱えている左手で、麗佳を抱きしめる。
「今年の麗佳の誕生日は、絶対一緒に過ごそうな」
念を押すように、輝良は言った。

「うん。……あたしこそ、絶対一緒にいて欲しいよ」
麗佳は笑った。
「だって前はさ、お前…自分の誕生日なのにオレに言ってくれなかったじゃん」
「あー…そうだったね…」
輝良から、麗佳は少し離れる。
もう何度も見上げた天井を見つめた。
「去年、…テル、あたしの誕生日にメールくれたね」
「ああ、そうだな」
輝良も麗佳の体から腕を外した。
麗佳の方を向いて、外した腕で自分の頭を支える。

ハタチの誕生日。
隣には、一緒に横になっている麗佳がいる。
輝良は色んな想いがこみ上げて、感慨深くなる。
右手を麗佳に伸ばす。
確かに麗佳はここにいて、そして自分の『彼女』だった。
半年前には、会うことすらできなくなるかもしれないと思っていたのに。


「テルの誕生日……こんな風に過ごすなんて去年思ってなかったよね」
麗佳が言った。
「オレも全く思ってなかった」
輝良は、麗佳の体の上に組まれた彼女の両手に、自分の右手を絡めた。

「麗佳……」

「ん……」

麗佳は輝良を見あげた。
自然に輝良の唇が重なる。
この優しい重なり具合が、麗佳はすごく好きだった。
ゆっくりと確認しあうように、舌が、歯が、お互いを触りあう。

輝良はゆっくりと唇を離した。

「麗佳の気持ちは、オレ次第だろ?」


「えっ……」
麗佳は目をあけて輝良を見つめ返す。
目が合うと輝良はにっこりと笑った。

「だから大丈夫。…オレ、結構自分に自信あるし」

(テル……)
そう言った輝良の笑顔が、麗佳の胸に刺さる。
麗佳は自分の心ごと全部、輝良に持っていかれるような気がする。
(なんか……頼もしい…)
見上げた輝良の目の、睫毛の長さに麗佳は改めて見とれてしまう。
「…テル次第、かもね…」
麗佳は微笑む。輝良を見つめる目に自然と愛情がこもる。

「とりあえず、…じゃあ、あたしはテルのものって、ことで…」

そう言った麗佳を見つめ返す輝良の目も、優しさで溢れていく。
「麗佳……」
指が絡まりあう。
唇が合わさる。
何度も重なり合う。


(このまま、テルの体に溶けてしまえばいいのに――――)

麗佳はそう思う。
少し涙が出た。

 

ラブで抱きしめよう
著作権は柚子熊にあります。全ての無断転載を固く禁じます。
Copyrightc 2005-2017YUZUKUMA all rights reserved.
アクセスカウンター